ネキシウムを服用して辛い副作用が出ることはない?
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代表的なプロトンポンプインヒビター(PPI)であるネキシウムカプセル(成分名:エソメプラゾールマグネシウム水和物カプセル)は、主に胃潰瘍や十二指腸潰瘍、ヘリコバクター・ピロリ感染の除菌補助のための効果・効能で使用されることの多い医薬品です。
このネキシウム(エソメプラゾール)を服用している間に起こる代表的な副作用にはどのようなものがあるのでしょうか。
ネキシウムの使い方を正しく理解するためにも、特に注意すべき代表的な副作用についてご紹介します。

ネキシウムを服用後に発疹やかぶれが出ることがある

湿疹症状のイメージ

ネキシウム(エソメプラゾール)を服用後に発疹、皮膚炎、そう痒感、蕁麻疹などの症状が現れることがありますが、その発生頻度は添付文書によると1%未満です。
このような皮膚症状は、ネキシウム以外にもあらゆる成分の医薬品でも起こるとされていて、「アレルギー性薬疹」や「皮膚過敏症」と呼ばれることもあります。
このような皮膚症状の副作用の発生には個人差が大きく、体の全体に強い発疹や赤みが現れる方、上半身のみうっすら赤くなる方、体の一部に痒みだけを感じる方など個人によって様々な症状が起こります。

ネキシウムを服用後に発疹やかぶれなどの皮膚症状が出た場合には、医師の診断と治療が必要になりますので、必ずかかりつけ病院や皮膚科の受診ができる病院などに行くようにしましょう。
医師の診断結果によっては、様々な治療方法が考えられます。

  • 発疹やかぶれの副作用症状を緩和させるために現在飲んでいるネキシウムの服用を中止する
  • ネキシウム(エソメプラゾール)と同じ胃潰瘍や十二指腸潰瘍・ピロリヘリコバクター・ピロリ感染の除菌補助のための効果・効能のある種類が異なる他の薬へ変更する
  • 発疹やかぶれなどの副作用症状を抑えるために内服薬や外用薬、注射薬などを使用する

医師によっても治療方針は異なりますので、問診時に気になることがあれば直接医師に確認するようにしましょう。

もし一度でも「アレルギー性薬疹」や「皮膚過敏症」が起こってしまった場合には、別の薬でも似たような種類の薬であれば起こる場合があるので、いつ・どこで・どのように起こったかという情報をしっかりと把握しておき、必要時に情報提供できるようにしておくことが重要です。

これまでに何らかの医薬品を飲んで発疹やかぶれなどのアレルギー症状が出た経験を持つ方は、新しい薬が処方されるような時には必ず医師や薬剤師へ伝えるようにしましょう。
特に初めて行くような病院の場合には、現在飲んでいる・過去に飲んでいた情報を伝えることが大事です。
お薬手帳や医薬品情報提供文書(薬情)をお持ちの方は、医師や薬剤師へ積極的に提示するようにしましょう。
もし何も情報を記載した物がない場合には、現在服用している薬の現物をお持ちいただくか、かかりつけ病院・かかりつけ薬局の情報を伝えるようにしましょう。

下痢や口内炎の症状が出ることもある

腹痛が辛い女性

ネキシウム(エソメプラゾール)を服用中に、下痢や軟便、口内炎や食道炎などの症状が現れることがあります。
添付文書によると、下痢・軟便などの症状は発生頻度5%以上、口内炎・食道炎などの症状は発生頻度1~5%未満となっています。
その他にも腹部膨満感や便秘などの消化器系の副作用症状も発生頻度が1~5%未満とネキシウム(エソメプラゾール)では比較的現れやすくなっています。
下痢・軟便の副作用は、ネキシウム(エソメプラゾール)を代表とした胃酸の分泌を抑えるタイプの薬に多くみられる副作用です。
食べ物の消化に深く関わっている胃酸の分泌をネキシウム(エソメプラゾール)が抑えることで、下痢や軟便、便秘といった症状が現れやすくなります。

また逆に便秘による腹部膨満感も起こりやすい副作用です。
下痢や便秘の副作用の対策として、どちらも十分な水分を補給することが重要です。
その他にも、野菜や海草などに多く含まれる食物繊維を積極的に摂取することで便の形状を安定化させるという方法もあります。

下痢や口内炎の副作用の影響で食欲不振が起こり食事を食べられなくなったり、水分補給が不足してしまったりすると、栄養障害や脱水が起こりやすくなってしまいます。
特に高齢者の場合には体への負担が大きいため、消化器症状を改善するためにも、小まめな水分補給を心がけるようにしましょう。
ただし医師より水分制限を指示されている方は、医師の指示に従うようにしてください。

症状が長引く場合は無理せず相談

下痢や軟便、口内炎・食道炎などの副作用症状は、短期間の間に落ち着く場合もありますが、もしこれらの副作用症状が数週間などの長期間続いてしまう場合には、かかりつけの医師や薬剤師に相談した方が良いでしょう。
下痢や口内炎の副作用症状を緩和させるために、医師の診断後はネキシウム(エソメプラゾール)の中止や用量の減量、その他薬剤への変更、整腸剤などの飲み薬の追加、鎮痛薬や塗り薬などの処方追加などが行われる場合があります。
ネキシウムを胃潰瘍と十二指腸潰瘍で服用する時は、投与期間が6~8週間までと添付文書上で定められています。
長期間服用する可能性のある薬なので、副作用症状には注意するようにしましょう。

ヘリコバクター・ピロリ感染の除菌補助のために服用する時は、他に二種類の抗生物質と合わせて7日間連続服用することになっています。
副作用が現れたからと自分の判断で服用を中止してしまうと、ヘリコバクター・ピロリ感染の除菌に失敗してしまい、難治化してしまう可能性があります。
下痢や口内炎の副作用症状で辛い時には、早めに処方医に相談するようにしましょう。

重たい副作用の症状がでたら医療機関へ

医師に相談する女性

ネキシウムの重篤な作用として広く知られているのが、以下の症状があげられます。

  • ショック・アナフィラキシー
  • 汎血球減少症、無顆粒球症、血小板減少
  • 劇症肝炎、肝機能障害、黄疸、肝不全
  • 中毒性表皮壊死融解症(Toxic Epidermal Necrolysis:TEN)
  • 皮膚粘膜眼症候群(Stevens-Johnson症候群)
  • 間質性肺炎、間質性腎炎
  • 横紋筋融解症
  • 低ナトリウム血症
  • 錯乱状態

その他にも「溶血性貧血」、「視力障害」、「急性腎不全」も類薬のオメプラゾールで報告されている副作用なので、注意した方が良いでしょう。
これらの重篤な副作用の発生頻度は添付文書上頻度不明ですが、症状が現れた場合に適切な対応を行わない時には、命の危険性が高い副作用だといえるでしょう。

重篤な副作用のほとんどは、かかりつけ病院を受診した際に、医師による適切な問診と定期的な血液検査で発見することができますので、指定された受診予定日に忘れずに病院に行くようにしましょう。
副作用症状の発生時期によっては、病院を受診した際の発見が困難な場合がありますので、自分で早期発見する意識を持つことも大切です。

日常的に確認できる重篤な副作用の初期症状としては、「呼吸がしにくい・口の中や唇が腫れる」(ショック・アナフィラキシー)、「体がだるい・発熱がある・皮下出血が起こる」(汎血球減少症、無顆粒球症、血小板減少)、「吐き気・嘔吐がある・食欲不振である・白目や皮膚の薄い部分が黄色くなる」(劇症肝炎、肝機能障害、黄疸、肝不全)、「皮膚や眼・口内に発疹ができる・赤くなる・発熱がある、全身に倦怠感がある」(中毒性表皮壊死融解症(Toxic Epidermal Necrolysis:TEN)、皮膚粘膜眼症候群(Stevens-Johnson症候群))、「発熱がある、咳が出る、息切れがする」(間質性肺炎)があります。

もしネキシウムを服用中にこれらの症状が現れた時には、服用するのをやめて、すぐに病院を受診するようにしてください。
これらの重篤な副作用は、服用しているすべての方に必ず現れるというものではありませんので、副作用のある薬だからと自分で勝手に判断をして服用を止める必要はありません。
もし上記以外にも、ネキシウムを服用後に気になる症状や不安に感じる事が現れた場合には、かかりつけの医師または薬剤師などの医療従事者に相談するようにしてください。